旅行が大好きだった両親

長期休みは必ず家族旅行

両親は共稼ぎをしていました。とても多忙な日常生活を過ごしていましたから、夏の長期休みは絶好のストレス解消の期間となっていたようです。私たち子ども三人を連れて、さまざまなところを旅行しました。もしかしたら、長期休みのために働いているのではないかと思うほど、父と母は旅行先を決めていました。

東京や新潟、岩手や奈良。日本各地を旅行しましたが、まだ歴史の重みや有り難さがわからなかったせいでしょう。神社や寺院などは退屈に感じられました。さらに、乗り物に弱い体質でしたから、長い移動時間がとても辛く、あまり喜んでいなかったような記憶があります。

それでも、父と母は顔を輝かせて観光地を巡っていましたので、まあ、それでもいいかと納得しながら後をついて歩きました。

思い出に残る旅行のシーン

子どもの頃から、長期休みには国内のあちこちを旅行しましたが、最も思い出深いのは新潟の佐渡です。船で渡りましたが、いつまでもついて来るかもめが健気でたまらず、おせんべいか何かをあげたかったことを覚えています。

佐渡で金山を見学しましたが、真っ黒になって金槌をふるっているマネキン人形が恐ろしく、こわごわと眺めました。昔はこういう人たちがいたんだ、かわいそうだな、と幼心に思いました。

佐渡は周囲が海でしたから、ひたすら観光バスで走り続けても、水平線を見ることができました。普段は海が見えないところで暮らしていましたから、とても新鮮に感じられました。